東京・三多摩のうつ病と双極性障害の“雑談会”

三多摩うつ&躁うつ茶話会
since 2011.08.27

書籍紹介

岡知史セルフヘルプグループ』星和書店、1999年
▼私が自助グループの設立を考えたきっかけの書籍であり、それと同時に、私が自助グループを諦めて“雑談会”に方向転換したきっかけの書籍でもあります。今でも繰り返し読んでいます。
▼詳しくは“雑談会のススメ”のページをご覧ください。立岩真也先生による紹介も参考になると思います。

加藤忠史双極性障害』ちくま新書、2009年
▼本書は、単極性のうつ病との対比を念頭に置いて双極性障害について解説しています。このため、双極性障害だけではなく、単極性のうつ病に関する知識も得ることができると思います。私の場合は、DSM-IV-TRハミルトンうつ病評価尺度における希死念慮の分類などを本書で学びました。
▼著者は、日本における双極性障害の研究の第一人者で、現在は理化学研究所で精神疾患動態研究チームのシニア・チームリーダーを務めています。

■久保木富房、坪井康次、神庭重信編『プライマリケア医のためのうつ病診療』メジカルビュー社、2009年
▼本書は、町のクリニックでお医者さんが診察しているなかで、うつ病が疑われる患者さんに遭遇したときに、どのような方針で診療を進めていくべきかについて解説した書籍です。うつ病を専門としていない内科医などが読むことを想定して書かれているため、私たち患者にとっても読みやすい内容になっています。

■姫井昭男『精神科の薬がわかる本』第2版、医学書院、2011年
▼自分が飲んでいる薬については、おくすり110番などのサイトで調べることができますが、茶話会のなかで他人が飲んでいる薬の話題になると、なかなか話についていけません。そんなときに本書の索引で薬の名前(商品名にも対応)を調べれば、薬理、効果、副作用など、その薬の概要を把握できるので、非常に重宝しています。
▼本書は、抗うつ薬や睡眠薬だけではなく、抗精神病薬や抗てんかん薬についても解説しています。また、出版時期が2011年であるため、たとえば抗うつ薬では、三環系や四環系から、SSRI、SNRI、NaSSAまでカバーしています。

大野裕こころが晴れるノート』創元社、2003年
▼休職中に心療内科で認知行動療法の講座を受けているとき、臨床心理士さんに「認知行動療法で何かオススメの本はないですか?」と質問したところ、260ページの書籍を紹介されて、「この病状で260ページも読めるわけないだろ!」と心のなかで叫んだのは、今となっては良い思い出です。
▼これに対して、本書は、130ページとコンパクトにまとまっており、レイアウトも読みやすいように工夫されています。独学で認知行動療法を学ぶには好適だと思います。
▼著者は、国立精神・神経医療研究センターの認知行動療法センター所長や日本認知療法学会の理事長を歴任した、名実ともに日本における認知行動療法の第一人者です。

■佐藤隆『職場のメンタルヘルス実践ガイド』ダイヤモンド社、2011年
▼仕事の関係でメンタルケアに関する書籍を探していたのですが、どうもキレイ事に終始している書籍が多く、「そりゃ理想論はわかるけどさ!」という印象が拭えませんでした。
▼これに対して、本書は、課長クラスの管理職が、部下をマネジメントする業務のなかで、併せてメンタルケアにも目配せをする、という視点で書かれていて、非常に実践的です。
▼ただし、一定以上の規模の企業が想定されているので、「ウチは産業医もいない中小企業なんですが…」というのが玉にキズです。